昭和ガラス照明「つきあかり(月明かり)」|思い出の型板ガラスが優しい灯りとして蘇る
古民家の昭和ガラスを再利用した
一点物のペンダントライト
家を建て替えることになった時。
長年家族を見守ってきた柱や建具、そして窓ガラスまでもが取り壊されてしまいます。
しかし、その中には単なる建材ではなく、家族の歴史そのものが刻まれたものがあります。
私たちが大切にしているのは、そんな思い出を未来へつなぐガラスリメイクです。
今回ご紹介する作品は、昭和時代の型板ガラスを使って制作したペンダントライト、
「つきあかり(月明かり)」
です。
古民家や昭和住宅に使われていた美しい模様ガラスを再利用し、現代の暮らしに寄り添う照明として生まれ変わらせました。
「つきあかり(月明かり)」という
名前に込めた想い
灯りをともした瞬間、この作品から感じたのは強い光ではありませんでした。
どこか懐かしく、静かで、心を落ち着かせる優しい光。
まるで夜空に浮かぶ月が障子越しに差し込むような、穏やかな明るさでした。
その姿から、この作品に「つきあかり(月明かり)」という名前を付けました。
昭和ガラス特有の柔らかな透過光が、空間全体を包み込みます。
食卓の上でも。
読書をする時間にも。
一日の終わりにくつろぐひとときにも。
月明かりのような優しさを届けてくれる照明です。
昭和ガラスの繊細な絵柄が
生み出す幻想的な表情
この作品で使用している昭和ガラスには、独特な流線模様が施されています。
光の当たり方によって、水面に広がる波紋のようにも見え、風に揺れる草花のようにも見える不思議な意匠です。
現代の大量生産ガラスにはない、どこか有機的な美しさがあります。
ガラス職人たちが生み出した昭和ガラスの魅力は、単なる「柄」ではありません。
見る人によって異なる情景を思い起こさせるところにあります。
ある方は、
「月夜の湖面みたい」
とおっしゃいます。
またある方は、
「子どもの頃に見たすりガラスを思い出す」
と話されます。
その記憶や感情まで含めて、このガラスには価値があるのです。
点灯すると模様がさらに浮かび上がり、昼間とはまったく異なる表情を見せてくれます。
まさに昭和ガラスならではの魅力と言えるでしょう。
なぜ今、昭和ガラスの
リメイクが選ばれているのか
近年、「実家の解体」「古民家の建て替え」「空き家整理」などをきっかけに、昭和ガラスのリメイク依頼が増えています。
その理由は単純なノスタルジーだけではありません。
思い出を捨てたくない
家はなくなっても、その家で過ごした時間はなくなりません。
窓越しに見た景色。
家族との会話。
子どもたちの成長。
そうした記憶を宿したガラスだからこそ、新しい形で残したいという想いが生まれます。
現代では手に入らないデザイン
昭和ガラスには、すでに製造終了している模様が数多くあります。
そのため、同じ作品をもう一度作ることはできません。
リメイク作品はすべて世界にひとつだけのオーダーメイド作品になります。
SDGsやアップサイクル
への関心
古いものを捨てずに活かす考え方は、現代の価値観とも重なります。
昭和ガラスの再利用は、思い出の保存と環境への配慮を両立する取り組みでもあります。
私たちは「ガラス」ではなく
「物語」を預かっています
お客様から昭和ガラスをお預かりする時、私たちは素材として見ていません。
その一枚のガラスには、
- 家族の歴史
- 住まいの記憶
- 人生の節目
- 故人との思い出
が込められています。
だからこそ、ガラスを切る時も、磨く時も、組み上げる時も慎重に向き合います。
失敗の許されない緊張感と、お客様の想いを未来へ届けたいという責任。
その両方を胸に、一点ずつ手仕事で制作しています。
完成した作品を見たお客様から、
「もう一度、実家の灯りに会えた気がします」
そんな言葉をいただくことがあります。
それは私たちにとって何より嬉しい瞬間です。
昭和ガラスを未来へ
受け継ぐために
昭和ガラスは、日本の住文化が生み出した貴重な財産です。
しかし建て替えや解体によって、その多くが失われ続けています。
もしご実家や古民家に残された模様ガラスがあるなら、捨てる前に一度その価値を見つめ直してみてください。
そこには家族だけが知る物語が刻まれているかもしれません。
「つきあかり(月明かり)」のように、思い出のガラスは新しい灯りとなり、これから先の暮らしを優しく照らし続けることができます。
私たちはこれからも、昭和ガラスの美しさと、お客様の大切な記憶を未来へつなぐ作品づくりを続けてまいります。